【読書】IoTは「ITの総合格闘技」であることを実感する一冊

IoT

本記事の要約

【今回ご紹介する本はこちら(楽天電子書籍へのリンクです)】
図解即戦力 IoT開発がこれ1冊でしっかりわかる教科書【電子書籍】[ 坂東大輔 ]

どんな人が読む本か

  • これから仕事でIoTの世界に飛び込もうとしている方
  • プロフェッショナルなIoTの世界というものを全体的にじっくりと感じ取ってみたい方には本書をお勧めする

この本のメリット

  • 仕事上でIoTやる場合は、最低限知っておくべきと思われるかなりの知識をこの一冊で仕入れることができる
  • IoT関連のプロジェクトで普通にお客様やメンバーと議論できるようになる
  • さらなる知識獲得のための大量なリンクが掲載されているので入門書以上の価値あり

初めて電子書籍で最後まで読んだ感動

まずこれを言いたい!電子書籍の便利さときたら半端ないことに気づく

多忙な仕事のためという、いかにもそれっぽい理由付けにより、長きにわたり購入書籍をちゃんと読む時間をとってこなかった。

そして読む気力がなくなった本は、買ったその日にほんの少しだけ読んだだけで、中古屋に売るという、今考えればとても勿体無いことをしたと後悔している。
最近になり、「楽天Kobo」というアプリの存在により気軽に本が読める環境を手に入れたこと、そして「在宅ワーク」という、最悪の状況の中でも素晴らしいワークスタイルが許される環境により通勤という最も無駄な時間を費やす必要がなくなったことが重なることで、「本を読もう」というモチベーションが出てきた。

この「楽天Kobo」というアプリ、前から持ってい他のだが正直電子書籍で読書というのが気持ち的にブレーキがかかりあまり使ってこなかった。
今回紹介する本を読破することで、このアプリの素晴らしさを知り、とても気に入った。
少しでも気になった書籍があると片っ端から「アプリで立ち読み」を使って試し読みしたり、お金に余裕があるときは実際に購入して、久しぶりに読書を楽しんでいる。

このアプリの良いところは、どこに居ても手軽に、そして読みたい本を読めるという事だ。
私はよく奥さんと一緒にウィンドウショッピングに行き、途中休憩で喫茶店に寄るのだが、そんなときでもスマホがあれば気軽に読書ができる。
重たい本の持ち運びが不要で、自分の本棚が手の中にあるので気分にあった本をその場で選べる。
そして自宅に帰ってきたら、自分のPCで続きを読む。
なんとお手軽なことか。

すでにKindleや楽天Koboユーザーの方からすると、「何を今更、遅っ!」と思われるかもしれないが、こんな出遅れ感満載の人もいるのだよ、ふふふ。

「IoTを勉強しなければ」というプレッシャーが強くなってきた

最近仕事で「IoT」関連が増えてきた

いよいよ(というか今更感もあるが)私も仕事でIoT関連の知識を必要する時期が来たようだ。

仕事上、IoTへの取り組みは必須という状況が身近で散見されるようになり、ビリビリと肌で感じれるぐらいの勢いを感じる。
まずはIoT開発に関する全体的な世界観のイメージを頭の中で醸造するために、以下の本を購入し読んでみたら、結構自分の知識がヤバいことになっていることに気がつかされたので少し触れみたいと思ったのがきっかけ。

【私は楽天の電子書籍を購入】
図解即戦力 IoT開発がこれ1冊でしっかりわかる教科書【電子書籍】[ 坂東大輔 ]

IoTをざっくり知るだけでも知識の海で溺れそうになった

IoTの世界はとても広大で、様々な技術や規格が関係しており、幅広い知識が必要となる分野だ。

少なくとも、この本を読んで気がついた事は、巷でよく売られているMook本のような入門書に記載されている「ラズパイでお手軽IoT」的なものがほんの一部程度に過ぎないと思い知らされた。
まぁ、あれはあれで楽しいのだが、本格的に企業がIoTを導入するためには、様々な先端の無線ネットワークに関する法規や技術の知識、それらを支える数々の業界標準やセキュリティなどの知識に加え、クラウドに蓄積された大規模データ処理に関する技術や知識と、非常に多くのことが要求されるということだ。

この本の著者も「ITの総合格闘技」と比喩している。
著者は、おそらく現場ではハードよりな立場で活躍さている方と思われ、記載内容が少しハードおよび通信技術に偏っている気がするが、逆にその辺りの知識が疎い私にはとても良い勉強になった。

プロフェッショナルのIoTの世界がざっと一望できる一冊

対象読者:どんな人におすすめしたいか

これから仕事でIoTの世界に飛び込もうとしている方には、まずは本書を手に取り、プロフェッショナルなIoTの世界というものを全体的にじっくりと感じ取ってみることをお勧めしたい。

マジでざっと俯瞰できるよ。

読むことのメリット:得られること、なぜこの本を読むべきか

仕事上でIoTやる場合は、最低限知っておくべきと思われる知識のうち、かなりの知識をこの一冊で仕入れることができると思う。

読み進めるうちに、今まで触れたことも聞いたこともなかったような用語がバンバン出てくるかもしれない。
目を瞑ることなく、自分の言葉で理解できるまである程度深く調べること。
IoT関連のプロジェクトで普通にお客様やメンバーと議論できるようになると思う。

この本はあくまでも基本、プロフェッショナルなIoTの世界への入り口という位置付けだと思うのだが、獲得した知識をより深みのある実用的なものにするための「起爆剤」となるなら、非常にお買い得な良書だろう。

この本を読んだ感想

IoT開発時に知っておくべき課題が満載

この本はIoTの世界でシステム開発するエンジニアに向けた知識体系の全体俯瞰マップだ。

IoTを想定したシステム開発時に特に意識しなければならい重要な課題に力点を置いてしっかりカバーしている。

私から見た「この本のお買い得感」は以下のポイントである。

  • 機器の大量配布を想定した場合の主要な懸念ポイントを解説
  • 用途別の通信規格(データ通信量、省電力など)にもしっかり言及
  • IoTデバイスの一元管理も含めたクラウド関連技術の活用ポイントの解説

エッジからクラウドまで、その途中のデータ授受に関する部分、受け取ったデータ処理の概要など、もれなく網羅しているのだ。

まず、遠隔地に大量配布するということや僻地での運用など、IoTならでわの課題がわかりやすく解説されている。「ラズパイでお手軽IoT」的な本ではイメージしづらい、過酷な条件下での稼働を想定しなければならない事に気付かされる。

過酷な条件の中には電力供給ができない場所での長期間運用や、遠隔地へのデータ送信方式では電力が必要など、相反する条件を突きつけられるが、それらをどのようにトレードオフするのかというポイントが解説されている。

また、大量なIoT機器の管理、アクセス制御、収集したデータの活用方法としてクラウドを活用する方法があるが、AWSのサービスとともに具体的にどのサービスがどのような用途で利用できるのかというポイントにも触れられている。

クラウド関連の仕事をしている私にとって、3つ目のポイントは特に参考になった。私はAWSではなくAzureを専門としているのだが、この本に掲載されているAWSの各サービスは、Azureにもほぼ同じサービスがあるので、対比させながら読み進めることができた。

あえて書きたい、物申したい「IoTデータ処理と活用」

読んだ本を紹介するにあたり、良いこと尽くめではなく、何かツッコミポイントも書きたいと思っていたが、これは難しいね。。

でも敢えて少しだけ、この本を読み進める中で「これはどうよ?」というポイントも捻り出してみたよw

4章の「IoTデータ処理と活用」は、具体的すぎる内容と概念的すぎる内容が入り混じっており、いきなり「煙に巻かれた」状態となりえる内容だった。
IoTデータの活用方法として、

  • データ構造
  • 分散処理
  • 機械学習

に触れており、これはこれで大変勉強になった。
だが、技術の紹介に終始し「IoTデータ活用」という観点での記述が少ないか、もしくは全くないものもあった。

個人的には、特に分散処理や機械学習という手法について、本書の内容にプラスして、もう少し具体的な利用シーンを挙げていただき、これらの技術を活用するとIoTで集めたデータを使ってこんなことができるんだよと、こちらももう少し具体的な嬉しい「事」を挙げていただけると、「なるほどー!」「へー!そうなのか!」というポイントが高かったかもしれない。

最近の仕事で要求されているのは4章以降

仕事上、IoT関連のお話をいただく際には、大体のお客様は自分達の製品を持っており、「そこからこんなデータを吸い上げて、こんなふうに活用したい」というおおまかなイメージは持っているお客様は多い。そのイメージの実現を手伝ってほしいということだ。

この本では各フェーズに適した基盤の種類や、データ通信規格まで踏み込んだ内容になっていて大変参考になるのだが、その辺のことはどちらかというとIoT機器を開発するベンダーに深く関係している部分で、SIとしてはそのあたりは知識として持っていれば良い程度だと思う。

そこから先、特に4章以降はガッツリ理解しておくべき重要領域だろうな。

  • 集まってくるデータの特性(データの要素と粒度、発生頻度、データ量)
  • データの必要十分な保存期間と不要となったデータの扱い
  • 処理に適した製品
  • データの価値化/見せ方(ビジュアライゼーション)
  • 野良IoT機器の排除方法(機器の認証)
  • 機器の故障対応(故障の検出、追加・交換、アップデート、起動・停止)

この辺りはメチャメチャ重要で、集まってきたセンサーの生データからビジネス上有効な価値ある「情報」にしなければならない。

そして、それは一筋縄ではいかず、様々なエンジニアが関わってチームとしての総合力が必要だ。

  • データエンジニア・アナリスト
  • 情報セキュリティスペシャリスト
  • ネットワークエンジニア
  • システムアーキテクト
  • ITスペシャリスト

そして、このエキスパートたちを取りまとめるリードエンジニアが必要だろう。

壮観だな。。
「ITの総合格闘技」感が出るな。
それと同時に、このリストを眺めていると自分の知識スコープ・経験量の小ささに驚愕する。。
が、がんばろー。

まとめ

「へー!」「なるほど!」と思った箇所

  • 必要電力や通信距離により通信規格が存在するということ、用途や仕様条件により選択する必要性があることを知った。

深く勉強したいと思った、勉強になった箇所

  • 私はエンジニアなので、やっぱり集めたデータの視覚化と、それを用いた価値の見つけ方などを知りたいと思わされた。
  • クラウドにはAWSを例に記載されているが、Azureに置き換えた場合のアーキテクチャを考えてみたい。

知識前提が必要な箇所

  • 本書のタイトルにもある通り「IoT開発」というぐらいだから、全体的には最低限開発経験が必要だと思う。
  • ネットワークに関する用語の知識があると3章ぐらいまでは結構すらすら理解できると思う。
  • 4章以降はクラウドベースの開発経験があればサッと読んである程度理解できるのだと思う。

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図解即戦力 IoT開発がこれ1冊でしっかりわかる教科書【電子書籍】[ 坂東大輔 ]

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